ポルシェ911 997型前期モデルは非常に魅力的な車ですが、どのような車にも弱点が存在します。
空冷モデルにも様々な問題点がありましたが、996.997型も同様にいくつかの気をつけるポイントが存在します。
今回は997前期型のポルシェ911でよく知られているインターミディエイトシャフトベアリングと6番シリンダー問題について現実と対策を紹介していきましょう。
インターミディエイトシャフトベアリングの破損問題
997前期型の2005年初期のカレラモデルに関してはよく言われる問題として、インターミディエイトシャフトのベアリング破損があります。
997前期に搭載されたエンジンにはインターミディエイトシャフトと呼ばれる軸がありますがこのベアリング部分の強度が弱いことにより、破損しエンジンにダメージを与えるというものです。
こちらのインタミ問題に関してはほとんどの場合、ポルシェのキャンペーンにて対象車は対策品に交換されており、現時点での発生率は極めて低いとの事ですので特段心配する必要はないかと思います。
現にそのような車両に出会ったことはなく、対策品に交換されている車両ばかりですので現在はほぼ解決した問題となります。
比較的991型等はまだ新しいので問題提起はあまりされておりませんが、996.997に比べて車両機能が多くPDKなどのシステムがいずれ問題を起こす可能性も否定できませんので997、996だけがこのような問題があるとは言えません。
6番シリンダー問題について
正確には4.5.6番シリンダー問題ですが、997カレラ系ではエンジン構造の問題で局所的なホットスポットが発生し、シリンダーに傷が入ってしまうと言われています。
基本的には冷却不足、潤滑不足で起こる問題となりますが、ほとんどの車両ではこのような問題はあまり報告されません。
主な症状としては、シリンダーに傷が入ることでエンジンからカチカチと明らかにピストンがシリンダー壁をたたくような音が断続的に聞こえたり、オイルの消費量が著しく多く、白煙が異常に多いなどがあります。
傷が入り、内燃機屋さんで修理した車両などが紹介されていますよね。
しかし、これはすべての車両で起こるわけではありません。
現に20万kmを超えても問題のない車両もたくさん存在するのです。
発生する走行距離はあまり関係がなく、3万kmなどでも発生したものもあるようです。
ではなぜ20万km以上も問題なく走行できている車両があるのか?問題が起こる原因はなんなのか?と言う疑問が出てくるかと思いますが、根本的に潤滑不足が原因です。
アメリカの文献ではサーキット走行や負荷をかけた運転などで比較的回転数が高く乗られた車両に関しては、シリンダー傷の報告は非常に少なく、それに対して回転数の低い運転を行っている車両はシリンダー傷の発生率が高いことが記されています。
これは油圧が大きく関係しており、油圧の低い状態で常に運転している人の車両に発生しやすいということです。
対策として、オイルの粘度を上げる、AT車であればMTモードで常に走るなどがあります。
渋滞が非常に多い地域で常に回転数が低い状態(超安全運転等)で運転される方はリスクが高まるのでお勧めしません。
逆に回転数を上げたスポーツカーらしい運転を行う方には特に問題はありません。(目安RPM3000以上)
他の対策としては冷却水の管理はもちろん、オイル管理が非常に大切になってきます。
日本は湿気が多く、ストップ・アンド・ゴーも多いため、かなりのシビアコンディションです。
湿気、濃い混合気はオイルの劣化を急速に早めます。
渋滞などでは油温が110度などになる場合も多く、オイルは急激に劣化するのです。
また、エンジン始動後すぐに3000回転を超える運転はピストンとシリンダーの隙間が多く、エンジンにダメージを与えますので走行しながらの暖気運転も必要です。
このような基本的な事を知らない場合はオイル交換は1万kmで行ったり、油温を気にしなかったり、暖機運転せず高回転まで回したりと997前期でなくてもエンジンにダメージを与える管理をしてしまうのです。
パワーのある車は発熱量も多く、普通の車よりもシビアなのです。
できる限り油膜保持能力にすぐれた適切な高品質オイルを使用し、オイル交換は3000kmを目安に行うことが非常に大切な要素です。
適切な管理、運転方法であればポルシェ997前期を長い間乗っていただけるかと思います。
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